近年、多くのトレーダーが「スマートマネーコンセプト」という用語を目にするようになりました。

これは、プロの投資家や大口の市場参加者が、どのようにして市場を動かしているのかを理解するためのものです。しかし、このアイデアは実は新しいものではなく、約100年前にRichard Wyckoffが提唱した「Wyckoffメソッド」がその元祖なのです。

そんなワイコフメソッドとスマートマネーコンセプトの類似点について深掘りした動画をご紹介します。

目次

Wyckoffメソッドの基本原理:市場力学を理解する

Wyckoffメソッドは、大きなプレイヤー(銀行、ヘッジファンドなど)がどのように市場を操作するのかを理解するための方法論です。

彼らは小規模なトレーダーとは異なり、より多くの資金やツール、情報を持っています。市場は「公正なゲーム」ではなく、小さなトレーダーはしばしば罠にかかりやすいのが現実です。

Wyckoffは、これを避けるために「3つの基本法則」を提唱しました:

需要と供給の法則

価格は需要と供給のバランスで動きます。需要が供給を上回れば価格は上昇し、逆に供給が需要を上回れば価格は下がります。

原因と結果の法則

大きな価格変動には必ず原因があります。これには市場の蓄積(買い)や分配(売り)という形で現れます。

努力と結果の法則

市場の動きは努力(取引量)と結果(価格の変動)が一致するべきです。大きな取引量にもかかわらず価格があまり動かない場合、トレンドの転換が近い可能性があります。

Wyckoffメソッドの4つの市場フェーズ

Wyckoffは、市場の動きを4つのフェーズに分けました:

蓄積フェーズ:市場の底値付近で、大口投資家が静かに買い集めている時期です。価格は横ばいで推移し、多くのトレーダーはまだ下落を恐れています。しかし、大口投資家はこの段階で価値を見出し、安値で買い集めます。

例:価格が下落している中で急激な売りの後に出来高が増加し、価格の下げが弱まる現象が見られます。

上昇フェーズ:価格が上昇し始め、大口投資家が利益を出し始める段階です。小口トレーダーは価格上昇を見て「今がチャンス」と思い、遅れて参加します。

例:価格が上昇し、出来高も増加するが、少しの押し目(調整)が発生しても価格はすぐに回復する。

分配フェーズ:価格が頂点に達し、大口投資家がゆっくりと売り始める時期です。小口トレーダーはまだ価格上昇を期待していますが、大口は静かに利益確定をしています。

例:価格が横ばいになり、出来高が増加しても価格が大きく動かない。下降フェーズ:大口投資家が売りを完了し、価格が急落する段階です。小口トレーダーがパニックに陥り、損切りを行い、これがさらなる下落を引き起こします。

例:出来高が急増しながら価格が急落する。

Wyckoffメソッドのイベント

Wyckoffメソッドでは、特定の市場の動きが「イベント」として定義されており、それらを見極めることが重要です。以下はその一例です:

  • Spring(スプリング):価格がサポートラインを一時的に下回るが、すぐに反発する現象です。これは「スマートマネー」が安値で買い集めることを示しており、通常その後の上昇トレンドを予告します。
  • Upthrust(アップスラスト):価格が抵抗線を超えるが、すぐに反落する現象です。これは大口が売り圧力をかけているサインで、通常はその後の下降トレンドにつながります。

ボリューム分析

Wyckoffメソッドでは、出来高(取引量)が価格変動と一致しているかどうかが重要な判断基準となります。例えば、価格が上昇しているのに出来高が減少している場合、その上昇は長続きしない可能性があります。逆に、価格が下落しているが出来高が増加していない場合、その下落は限定的かもしれません。

  • 蓄積期のサイン:下落中に出来高が増加しているが、価格はあまり下がらない場合は、大口が買い集めている可能性が高い。
  • 分配期のサイン:上昇中に出来高が増加しているが、価格があまり上がらない場合は、大口が売りに転じている可能性が高い。

まとめ:Wyckoffメソッドを使ったトレードの心構え

Wyckoffメソッドは市場の「見えない力」を見抜くための強力なツールです。大口プレイヤーの動きを読み取り、その流れに逆らわずにトレードすることが重要です。価格と出来高の関係をしっかりと理解し、無駄なリスクを取らずに市場の大きな動きに乗ることが成功へのカギとなります。

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